豊満な全裸を見つめながら反対側に回ると、何と美神ヘルマフロディトスの股間にはペニスが!

(WikipediaのBorghese_Hermaphroditusから転載)
そうなのです。ヘルマフロディトスは両性具有の神なのです。
以下は「ようこの、とりかえばや物語」からの引用です 。
ヘルマフロディトスは、ギリシャ神話の神の名前で、紀元前4世紀の彫刻では、乳房を有する美青年として登場し、その後の時代になると、男性の性器を持った女として表されるようになりました。
ヘルマフロディトスはヘルメスとアフロディテの合わさった人格を有する、という意味ですが、ヘルメス(HERMES)は、ハンドバッグやスカーフのブランド名でおなじみですが、ギリシャ神話では、富と幸運の保護者です。彼は竪琴、アルファベット、数、天文、音楽、度量衡の発明者で、商売、賭博、競技の神様です。
一方、アフロディテ(Aphrodite)は愛と美と豊穣の女神です。
愛と美の女神アプロディテとヘルメスの間に生まれた美しい少年ヘルマフロディトスは、生まれてすぐにイデ山のニンフたちに養育されていました。15歳の時ヘルマフロディトスは、リキュアを訪れました。
そのとき、彼を見たハリカルナッソス近くの泉の妖精サルマキスは、彼に夢中になってしまい、サルマキスはヘルマフロディトスに誘いをかけるますが、ヘルマフロディトスはただ頑なに拒むばかりで、サルマキスは引き下がらざるを得ませんでした。
ある日のこと、夏の暑さも手伝ってヘルマフロディトスは泉に飛び込み泳ぎだしました。それを見ていたサルマキスは自分も水中に潜り、無我夢中でヘルマフロディトスに抱きつき、「何者も私たちを引き離すことが出来ないように」と神々に祈りを捧げました。
願いは聞き入れられ、二人の体は結びつき、男でも女でもなく、男でもあり女でもある身体に変化してしまったのです。悲しみにうちひしがれたヘルマフロディトスは、泉で水浴する者の性を奪う力を天に願い、以来、サルマキスの泉で水浴すると男性は不能になってしまうと伝えられます。
(オウィディウス『転身譚』)
ヘルマフロディトスの彫刻はルーブルのもの以外にもいくつか見つかっています。詳しくは、英語ですが WikipediaのBorghese_Hermaphroditus を参照下さい。写真を見るだけでも楽しいですよ。この物語は絵画の題材にもなっており、有名なものとしては、泉に足を浸してくつろぐヘルマフロディトスを虎視眈々と狙いながら服を脱ぐサルマキスの姿を描いたスプランヘルの作品や、突然水の中で襲われ、慌てふためいて泉から出ようとするヘルマフロディトスと、その体に絡みついて再度水中に引きずり込もうとするサルマキスを描いたナヴェズの作品があります。
ヘルマフロディトスの哀しい神話はこのように美の極致として芸術家達の想像力を掻き立てたのですね。